2012 Fiscal Year Annual Research Report
肺エアリーク定量測定モニターの開発と気瘻疾患に対する新しい治療ストラテジーの構築
Project/Area Number |
21791314
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
酒井 光昭 筑波大学, 医学医療系, 講師 (60375508)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 肺エアリーク / 気胸 / 呼吸器外科手術 / 肺瘻 / モニタリング |
Research Abstract |
我々は胸腔ドレナージユニット水封部を通過する気泡の体積を光学的に測定し肺のエアリーク量を非侵襲的に定量モニタリングする技術を開発した.ちょうど心電図のようにセンサーをユニットに取り付けるだけで肺エアリーク量を測定できる.医工学実験で基礎技術が確立しヒツジ肺瘻モデルで呼吸に対する正確性検証を行った結果,呼吸運動による不均整性流量下でも肺エアリーク量を誤差6%以内でモニターできる精度を得た.本技術は本年度に特許として認められた.本研究の学術的な特色・独創的な点は①この分野の学術研究は過去の報告がほとんどない上に,清潔性,経済性,再現性から臨床で普及していない.②肺エアリーク量に基づく治療方針という概念も過去にはなかった.しかしエアリークの有無の観察は実地臨床ではよく行われる行為である.本技術は①比較的単純な構造で②患者に対して非侵襲的に測定でき③経時的追跡が可能で④リユース可能な機器である点が特徴である.肺エアリーク量を病態の生理学的指標として再認識しこれをモニタリングすることによって,現状よりも有用なパラメータとして臨床的意義を見出そうとする点も独創的である.本技術の向上により誤差1%以内で肺エアリーク定量をモニタリングできるようになった.結果の意義として正確な肺エアリーク量がモニターされると,気瘻を来たす疾患の診断に対し① 医師は主観的判断から脱却し科学的・客観的な病態判断と治療選択が可能となる② 疾患別や重症度別による病態の相違が把握できる③ 新しい治療戦略や手術適応を提起できる,④ 胸腔内の総合的な呼吸生理学的解析が可能になる.臨床試験へ移行する前に本機器を点滴棒へ装着する際の安全性の問題(①機器の小型化(特にバッテリー),②軽量化,③防水機能,④無線LAN感度など)が出てきている.これらを工学的に解決し臨床試験に臨みたい.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)