2009 Fiscal Year Annual Research Report
心房細動治療における除神経術:心内膜下自律神経ネットワークの解明
Project/Area Number |
21791335
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
坂本 俊一郎 Nippon Medical School, 医学部, 助教 (50398872)
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Keywords | 不整脈 / 外科 / 自律神経 |
Research Abstract |
自律神経の亢進が不整脈の発症と維持に深くかかわっていることが知られている。心房細動手術によってこれらの自律神経作用を減弱させる除神経効果があるとされているが、最近、心房細動手術に心臓神経叢(GP:Ganglionated Plexi)を焼灼する除神経効果の追加によって治療成績が向上したとの報告がある。本研究の目的は心房細動手術におけるGP焼灼術の心内膜面での除神経効果を検証し、新たな"除神経術"開発の可能性について検討することである。平成21年度は肺静脈周囲の心臓神経叢への刺激、又刺激中に心表面にて心房電位を記録しえる肺静脈、および心房自由壁のマッピング電極の作成を中心に行った。肺静脈の解剖学的特徴をふまえ、犬の心房鋳型より電極シートを作成し、肺静脈周囲へ常に同じ位置関係で巻きつけるベルト型電極を考案した。また人工心肺下に心内へと挿入しうる心内膜電極の作成も行い、全ての電極を装着した上で電気生理学的検査が遂行可能であるかの検証を行った。我々が保有しているマッピングソフト内臓のコンピューター内へと電位を記録保存し、興奮伝導パターンおよび心電図変化(QRST area change)を解析し、その結果から電極接触状態や人工心肺等の医療機器使用によるノイズの影響が少なくするべく、電極のサイズおよび電極間距離を変更することで改善が得られた。今後はこれら電極および解析システムを用いて、実際の心房細動外科治療(心房焼灼)前後での電気生理学検査を行い、除神経効果について明らかとする。
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