2011 Fiscal Year Annual Research Report
心房細動治療における除神経術:心内膜下自律神経ネットワークの解明
Project/Area Number |
21791335
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
坂本 俊一郎 日本医科大学, 医学部, 助教 (50398872)
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Keywords | 心臓神経叢(GP) / GPネットワーク / active GP / dominant GP |
Research Abstract |
自律神経の亢進が不整脈の発症と維持に深くかかわっていることが知られている。心房細動手術によってこれらの自律神経作用を減弱させる除神経効果があるとされているが、最近、心房細動手術に心臓神経叢(GP:Ganglionated Plexi)を焼灼する除神経効果の追加によって治療成績が向上したとの報告がある。本研究の目的は心房細動手術におけるGP焼灼術の心内膜面での除神経効果を検証し、新たな除神経術開発の可能性について検討することである。平成22年度に施行したGP刺激中および焼灼前後での心房電位波形および細動周期の変化についての解析結果より、心内膜面の心房電位記録は心外膜面のGP、特に刺激時に迷走神経反射が誘発されるactiveGPの存在に依存するとともに、actriveGPには局在があり、焼灼部位によりその他GPでの迷走神経反射が消失することからもactiveGP間にネットワークを有する可能性が示唆された。平成23年度はこのactiveGPネットワーク同定に関して焦点をしぼり研究を行った。心房細動手術中にActiveGPを同定した後、連続刺激焼灼法を用いて無作為にこれらGPを焼灼し、除神経効果を調べた。この結果、術中に同定されるActiveGP間にも房室結節への迷走神経作用の中心となるdominatGPなるものが存在し、個々の症例において全心房領域、または局所心房領域それぞれにおいてdominantGPを有するacitveGPネットワークが同定されている。これらactiveGPのほとんどは心外膜面から焼灼が可能であり、心内膜面での焼灼追加は必要とされないことがわかった。
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