2009 Fiscal Year Annual Research Report
PMCA法を用いた医療器材消毒法の網羅的評価と現実的プリオン消毒法の確立
Project/Area Number |
21791343
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
竹内 敦子 Tohoku University, 大学院・医学系研究科, 助教 (00535239)
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Keywords | プリオン病 / 脳神経疾患 / 蛋白質 / 衛生 / 臨床 |
Research Abstract |
本研究の目的はプリオンに効果的な現実的滅菌法を確立することである。そこで、異常プリオンタンパク質(以下PrP^<Sc>)のin vitro増幅系として注目されるProtein Misfolding Cyclic Amplification(以下PMCA)法を用いてプリオン滅菌法の効果を評価する方法を検討した。これまでPMCA法を用いたPrp^<Sc>の超高感度検出に関する報告は数多くあるが、PMCA法を定量的解析に応用した報告ほとんどない。そこで本年度は、滅菌によるプリオンの感染価低下を正確に比較するため、どの程度まで微量PrP^<Sc>を高感度検出できるのか(検出限界の有無)を明らかにし、さらにPMCA法によるPrP^<Sc>の定量的解析を可能にする実験系を構築することを目的とした。段階希釈したハムスタースクレイピー感染脳ホモジネート中のPrP^<Sc>をマルチラウンドPMCA反応によって増幅し、ラウンド毎に各希釈系列から増幅される産物(proteinase K抵抗性プリオンタンパク質(PrP^<res>))の有無を解析した。その結果、PrP^<Sc>の希釈率とPrP^<res>が検出されるまでにかかるラウンド数は比例しており、PrP^<res>が検出されるラウンド数によって、増幅前のPrP^<Sc>量を概算することが可能であることがわかった。さらにこの感染脳ホモジネートからのPrP^<res>の検出限界は10^<-11.3>希釈であり、これ以上の定量的解析は困難であることが明らかとなった。以上の検討によりPMCA法による定量的解析が可能となった。現在この実験系を用いて中水準、高水準の消毒法を中心に、種々のプリオン滅菌法の効果について検討中である。結果の例として、市販のアルカリクリーナーと熱処理を組み合わせた複合的な滅菌法が非常に効果的であり、その感染価の低下はおよそ7log以上であった。現在「複合的な滅菌方法」についてさらに検討中である。
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Research Products
(1 results)