2009 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト脳腫瘍サンプルにおけるオートファジーモニタリングと組織学的検討
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21791350
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
棗田 学 Niigata University, 医歯学総合病院, 医員 (00515728)
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Keywords | オートファジー / 神経膠腫 / 抗LC3B抗体 / テモゾロミド / 放射線 / オートファジーモニタリング / 免疫染色法 |
Research Abstract |
【背景・目的】細胞が飢餓状態に陥る或いはストレスに曝されると、オートファジーが誘導され、細胞内の蛋白質や細胞内小器官をリサイクルすることによりダメージを回避しようとする。同様に、神経膠腫において、放射線治療やテモゾロミド(TMZ)はオートファジーを誘導することが証明され、治療抵抗性との関連が示唆ざれている。今回、放射線、TMZ療法前後の摘出標本を用いてオートファジー活性を検討した。 【対象及び方法】TMZ療法前後に摘出術を行った13症例、39標本を対象とした。アストロ系腫瘍が8例(GBM2例、AA5例、DA1例)、オリゴ系腫瘍が5例(AOA3例、OD1例、OA1例)であった。パラフィン連続切片を切り出し、それぞれHE, MIB-1, MGMT及びオートファジー誘導に関連する分子Apg16, LC3B, LAMP1, LAMP2 LAMP2Aの染色を行った。Apg16, LC3B, LAMP1, LAMP2, LAMP2Aは染色の程度により陰性0点、弱陽性1点、陽性2点、強陽性3点とし、5つの染色の合計点数をautophagy score(AS)(=15点満点),LAMP2及び2Aの合計をchaperone mediated autophagy score(CMAS)(=6点満点)とした。腫瘍細胞の細胞質のdot状の染色を有意とし、核内や非腫瘍性細胞の染色は除外した。 【結果】放射線及びTMZ療法前の14標本ではASが平均8.6点、CMASが平均3.0点であった。放射線治療後でTMZ療法前の8標本は平均AS/CMASが9.3/4.0点、放射線及びTMZ療法後の17標本は10.5/4.3点であった。 【考察】放射線治療やTMZ療法後にオートファジーが誘導される傾向があり、。さらなる検討を要するが、神経膠腫における治療前後のオートファジーモニタリングの方法として、免疫染色の有用性が示唆された。
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