2010 Fiscal Year Annual Research Report
Affibodyを用いた中枢神経系悪性腫瘍のHER-2受容体発現の画像化
Project/Area Number |
21791359
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
木下 学 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (40448064)
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Keywords | 分子イメージング / MRI / Affibody / SPIO / HER-2 |
Research Abstract |
本年度では、前年度に引き続き、Affibodyならびにsuperparamagnetic iron oxide(SPIO)を用いたHER-2受容体のin vivo imagingを行った。HER-2陽性である卵巣がんSKOV-3細胞株を用いて、脳内腫瘍モデルを施行した。しかしながら種々の実験条件を試みたものの、nude mouseでのSKOV-3生着が極めて悪く、脳内腫瘍接種部位にわずかに腫瘍細胞が生着するという結果を得た。この状態で、AffibodyならびにSPIOを経静脈的に投与したが、MRIで腫瘍細胞を画像化することはできず、必ずしも本方法の有用性を証明することはできなかった。これは、実際に正着させることができた腫瘍細胞数が少なすぎたことによるものか、それともAffibodyとSPIOを共使用するという、方法論自体の問題なのか、結論をだすことができなった。 その一方で、これまで、頭蓋外腫瘍ではHER-2受容体の局在をMRIで画像化できていることから、少なくとも、本研究課題で提案しているAffibodyとSPIOはMRIを用いた分子イメージングにおいて頭蓋外病変で有用である事が示された。 本研究課題により、今後MRIを用いた分子イメージングが少なくとも頭蓋外病変では可能であり、当初研究の目的としていた、「病変組織を非侵襲的に分子レベルで画像化する」という日標に一歩近づくものと考える。
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