2009 Fiscal Year Annual Research Report
経頭蓋磁気刺激にリアルタイム脳律動解析と機械学習を応用した言語機能解析
Project/Area Number |
21791360
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
後藤 哲 Osaka University, 医学系研究科, 助教 (80533801)
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Keywords | 脳磁図 / 脳律動変化 / 経頭蓋磁気刺激 / 言語機能 |
Research Abstract |
本研究の目的としている、TMS刺激の時間的・空間的パラメータの最滴な条件を明らかにするために、言語課題遂行時の脳磁図計測を行うことで、脳活動部位の時間的経過を明らかにした。正常の被験者23名に対して、言語黙読課題遂行時の脳磁図計測を行った。それぞれの被験者から得られた脳磁界波形を、周波数帯域ごとの脳津動変化に着目し、空間フィルター用いて三次元脳画像上に重畳させることで、脳活動部位を明らかにした。また、fMRIでは広く行われているグループ解析を脳磁図の解析に応用することで、個人差を排除した共通脳活動部位を明らかにすることができるようになった。50msずづ連続的に移動させた解析区間に対して、このグループ解析を行うことで言語課題遂行時の共通脳活動部位の時間経過を明らかにすることが出来た。特に、視覚提示直後に後頭葉に始まり、言語野から前頭葉に向かって伝播するθ帯域の活動が見られた。一方、200-400msに最も強く、広い範囲の活動が見られた後γ帯域では前言語野、α帯域では後言語野に限局する遷延した活動が見られた。このように、連続的時間窓を用いた脳律動グループ解析を用いることで、言語課題遂行時の脳活動の時間的変化を明らかにするだけではなく、周波数帯域と機能の関係を明らかにすることが出来た。本研究の成果は現在論文を投稿中である。これらの結果から、TMS刺激により言語誘発症状をきたしうる時間的・空間的パラメータの候補が明らかとなり、今後のTMS刺激による言語症状を誘発する研究のための基礎的データが得られた。
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Research Products
(2 results)