2009 Fiscal Year Annual Research Report
悪性グリオーマに対する腫瘍溶解性ウイルスと抗血管新生薬との併用療法についての検討
Project/Area Number |
21791364
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
黒住 和彦 Okayama University, 病院, 助教 (20509608)
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Keywords | 悪性グリオーマ / 腫瘍溶解性ウイルス / 抗血管新生薬 |
Research Abstract |
我々はオンコリティックウイルス(OV)をより効果的な治療戦略とするため悪性グリオーマに対するオンコリティックヘルペスウイルスを用いた宿主の間葉系システムにおける反応、腫瘍のマイクロエンバイロメント、さらには、腫瘍血管の変化について研究を行ってきた。我々は抗血管新生治療薬と併用によりOV治療の効果を増強することができたが、この結果は薬剤の局所投与、1種類のウイルスと1種類の抗血管新生治療薬の結果であった。この結果を発展させるために他のOVや他の抗血管新生治療薬の使用について検討した。 1) cRGDペプタイド(Cilengitide)の投与法を全身性投与法に変えたところ、同様な相乗効果が得られた。 2) 他の抗血管新生薬であるベバシツマブも今回の実験に使用したが、現段階では、はず、脳腫瘍モデルに対する薬剤単独の効果を検討していることであり、OVとの併用の元データをとっているところである。 3) 他のHSV-1ウイルスrQNestin34.5,(腫瘍特異的なネスチンプロモーターのコントロール下でIGP34.5遺伝子がドライブされる)を使用したところ、同様な相乗効果が得られた。 4) オンコリティックアデノウイルス(AdexElAdB)を使用したが、AdexElAdB単独群と比べ、U87dEGFRなどのヒト脳腫瘍細胞系列のモデルを用いたところ、生存期間の延長傾向が認められたが、まだ、有意な結果ではないため、今後、cRGDペプタイド(Gilengitide)投与量の検討、ウイルス量の検討をする予定である。 以上の結果をさらに発展させ、22年度の計画である「抗血管新生治療薬によりOVの腫瘍溶解を増強するメカニズムの検討」を始めていく予定である。
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