2010 Fiscal Year Annual Research Report
脊髄損傷に対するES細胞移植治療―骨髄間質細胞共移植の検討―
Project/Area Number |
21791375
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
松田 良介 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (60453164)
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Keywords | 脊髄損傷 / ES細胞 / 骨髄間質細胞 / 共移植 |
Research Abstract |
【平成22年度の研究目的】本研究では、脊髄損傷モデルマウスに対するES細胞由来の神経幹細胞(neural stem cells : NSC)と骨髄間質細胞(bone marrow stromal cells : BMSC)の共移植による運動機能改善効果を検討する。BMSCは、GDNF,BDNF,NGFなどの神経栄養因子を分泌することにより、その神経保護作用を発揮するため、ES細胞由来神経幹細胞移植と共移植することによりさらなる脊髄損傷後の運動能改善を期待した。 【研究方法】平成21年では、ES細胞由来NSC、BMSCの細胞調整を行い、マウス脊髄損傷モデルへの細胞移植を行った。平成22年度は、マウス脊髄損傷後の行動評価および組織学的評価を行った。マウスへの脊髄損傷後、Motor score、platform hang、rope walkの3つの行動評価テストにて毎週1回運動機能評価を実施。また、行動評価後の脊髄損傷マウスを灌流固定した後、脊髄損傷部を取り出し凍結切片を作製。観察方向は、脊髄の矢状断にて行い、脊髄損傷周辺部まで観察した。免疫染色では、骨髄間質細胞は抗BrdU抗体にて、またES細胞由来神経幹細胞およびそれらより分化した細胞は抗GFP抗体にて鑑別した。 【研究成果】運動機能評価では、各群ともに経時的に運動機能改善をみとめたが、ES-NSC群、BMSC群、NSC-BMSC群の各群間には運動機能の改善に有意差を認めなかった。免疫組織染色では、ES細胞由来NSCはNestin,MAP2陽性細胞への分化を認めた。BMSCは、BrdU及びNGFの2重染色にて、BMSCがNGFを産生していることが示唆された。ただ、期待されたNSC-BMSC移植群でのさらなる運動機能改善効果は認めなかった。
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Research Products
(4 results)