2009 Fiscal Year Annual Research Report
BMPシグナル阻害因子Dullardの骨形成における役割の解明
Project/Area Number |
21791386
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
早田 匡芳 Tokyo Medical and Dental University, 難治疾患研究所, 助教 (40420252)
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Keywords | ユビキチン化 / BMP / 脱リン酸化酵素 / 骨芽細胞 |
Research Abstract |
BMPは、骨芽細胞分化における作用を介して、骨形成を調節する重要な因子である。この機能は、複数のBMP阻害因子の調節下にあるが、そのような阻害因子の全体像は未だ理解されていない。Dullardは、I型およびII型受容体と会合する脱リン酸化酵素であり、BMPシグナルの負の新規制御因子として近年報告された。Dullardは、活性化されたI型BMP受容体の脱リン酸化および、II型BMP受容体の細胞内への取り込み、ユビキチン化による分解を促進するという新規の機能を持つ。しかしながら、Dullardの骨形成における機能については、全く明らかにされていない。本研究では、Dullardの骨形成への関与を調べた。定量的RT-PCR法により、Dullardは、骨髄を抜き取った大腿骨の骨幹部や骨髄などの骨組織および骨芽細胞株MC3T3-E1に同程度のレベルで発現していた。Dullardが骨芽細胞において、BMPシグナルの抑制に関与するかどうかを調べるために、Dullard発現ベクターまたはDullardに対するsiRNAを7xBRE(BMP応答領域)-ルシフェラーゼとともにMC3T3-E1にトランスフェクションし、ルシフェラーゼアッセイを行った。その結果、Dullardの過剰発現は、BMPシグナルを抑制し、一方siRNAによるDullard mRNAのノックダウンは、BMPシグナルを増強した。BMP抑制因子であるSmad6 mRNAはBMPシグナルによって誘導され、負のフィードバックループを形成していることが知られているが、MC3T3-E1においてDullard遺伝子発現はBMP処理によって変化しなかった。このことは、DullardはBMPシグナルの負のフィードバックループに関与しないことを示唆する。以上の結果は、Dullardは骨芽細胞に発現する新規のBMP阻害因子であることを示唆する。
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[Journal Article] ANA deficiency enhances bone morphogenetic protein-induced ectopic bone formation via transcriptional events2009
Author(s)
Miyai K, Yoneda M, Hasegawa U, Toita S, Izu Y, Hemmi H, Hayata T, Ezura Y, Mizutani S, Miyazono K, Akiyoshi K, Yamamoto T, Noda M
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Journal Title
J Biol Chem 284
Pages: 10593-10600
Peer Reviewed
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