2009 Fiscal Year Annual Research Report
交差緩和率イメージングECRIと質量解析に関する研究
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21791391
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
筑紫 聡 Nagoya University, 医学部附属病院, 病院助教 (90378109)
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Keywords | Cross-relaxation Rate imaging / MRI / 骨軟部腫瘍 / 画像診断 / プロテオーム解析 |
Research Abstract |
21世紀のimagingにおいては生物学的な情報をいかに可視化できるかが望まれている。PETや拡散強調像の研究が目覚ましい進歩を遂げているも、画像解像度の問題から十分な臨床応用には至っていない。磁化移動効果を応用したEquivalent Cross-relaxation Rate Imaging (ECRI)は生体高分子を定量的に評価した画像手法であり、画像解像度の向上により臨床応用が十分期待されている。悪性軟部腫瘍は同一組織型でも症例により悪性度や局所浸潤性が異なり、これらの術前診断が可能となれば治療成績は飛躍的に向上する。そのためこの分野でのECRIの研究は臨床上重要である。MRIでの3Teslaが導入され、画像解像度の向上により臨床応用が十分期待できる。 平成21年度に蓄積された症例をもとに、ECRIと骨軟部腫瘍の病理学的な悪性度および浸潤性とを比較検討を行っている。比較検討を行うため各種軟部肉腫における組織学的浸潤性や追加広範切除の残存腫瘍の有無等の検討を病理学的に行った。5cm以下の軟部肉腫(AJCCT1)においては88%に浸潤性増殖を示し、不適切切除後に51%に残存腫瘍を認めた。また浅在性の軟部肉腫においては17%に組織学的に隣接する筋膜に浸潤を認め、これは高悪性度の32%に該当する。これら結果については来年度の各種学会において報告を予定している。これら組織学的検討とECRIとの比較検討を行うことによりその有用性が示される。特に筋膜浸潤は軟部肉腫の予後に相関する事象であるため、その画像解析が可能となれば術前予後評価が可能となる。腫瘍組織におけるタンパク質発現受託解析は、現在資料収集に留まっており、解析には至っていない。ECRIは現在データ収集中である。
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