2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21791393
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
松下 雄彦 神戸大学, 医学部附属病院, 特命助教 (40467650)
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Keywords | SIET1 / 軟骨細胞 / 変形性関節症 |
Research Abstract |
(1)in vitro:まず、SIRT1を発現するplasmidをIL-1β刺激下に導入し、遺伝子発現の変化を調べた。IL-1βの刺激で、aggrecanやCOL2A1の発現は低下し、MMP-1、-2、-3、-13、ADAMTS-5の発現は有意に上昇した。一方、SIRT1の過剰発現した軟骨細胞にではaggrecan, COL2A1の低下は抑えられ、MMPや、ADAMTS-5の上昇は有意に抑制された。さらにSIRT1の影響を確認するために、IL-1β刺激下で逆にSIRT1を抑制して影響を調べた。SIRT1の抑制により、aggrecan, COL2A1の発現はさらに低下し、MMP、ADMTS-5の発現はさらに上昇した。以上より、SIRT1がIL-1β誘導による軟骨分解酵素や軟骨基質成分の発現の調節に関与していることが強く示唆された。そこでその調節機構のメカニズムを調べた。IL-1β誘導によるMMPの発現をNF-κB経路が伝達することが知られているため、SIRT1のNF-κB経路に対する影響を調べた。IL-1βはNF-κBの一つであるP65をアセチル化させ、一方でSIRT1はIL-1β誘導によるP65のアセチル化を抑制した。また、免疫沈降にてSIRT1がP65と結合することが分かった。P65の転写活性はアセチル化により活性化されることが知られており、SIRT1はP65と結合して脱アセチル化すし、IL-1β誘導によるMMPの発現上昇を抑制すると考えられた。 (2)in vivo : SIRT1の軟骨細胞特異的ノックアウトマウスは外観上及び軟骨の表現型の異常が明らかでなかったため、現在変形性関節症モデルを作成してその解析をおこなっている。
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Research Products
(5 results)