2009 Fiscal Year Annual Research Report
NFAT2/NFATc1に制御される破骨細胞骨吸収機構およびその調節機構の解析
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21791394
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
北川 教弘 Nara Institute of Science and Technology, バイオサイエンス研究科, 助教 (30294284)
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Keywords | 破骨細胞 / 骨代謝 / NFAT2 / 膜タンパク質 / アクチン / HB-EGF / シグナルシーケンストラップ / ectodomain shedding |
Research Abstract |
転写因子NFATc1/NFAT2が細胞融合以降の分化過程に必須な鍵因子であることから、NFAT2が細胞融合や骨吸収活性に関連する膜タンパク質の発現を制御すると考えられた。そこでNFAT2の制御下で発現する増殖因子HB-EGFおよびI型膜タンパク質RADIOに着目し、機能解析を行った。 HB-EGF遺伝子欠損マウスが骨吸収・骨形成ともに低下していることを踏まえ、本年度は骨芽細胞分化におけるHB-EGFの働きを検討した。in vitro骨芽細胞分化誘導系を用いた解析から、HB-EGFが1) 骨芽細胞分化を抑制すること、2) MEKを介した経路および転写因子Twist2の発現を介してアルカリフォスファターゼの発現を抑制すること、が明らかとなった。RADIOの破骨細胞骨格制御機構の解明と骨代謝における意義を明らかにすることを目的とし、本年度は3) RADIO細胞外領域とマウスIgG2aFc領域の融合タンパク質(RADIO-Fc)を作成し、これを抗原として抗体を作成した。作成した抗体をもちいてウェスタンブロッティングを行い、破骨細胞分化に伴い内在性RADIOタンパク質発現が上昇すること、シクロスポリンA処理によりその発現誘導が抑制されること、を確認した。また本抗体を用いた免疫染色実験からRADIOタンパク質が単核および多核破骨細胞形質膜上に発現することが示唆された。4) RADIO遺伝子の転写開始点を5'-RACE法により決定し、プロモーター領域を推定するとともに、RADIO遺伝子のエクソン・イントロン構造を決定した。この情報に基づき、RADIO遺伝子欠損マウスの作製を目指してターゲティングベクターを構築した。
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Research Products
(4 results)