2010 Fiscal Year Annual Research Report
NFAT2/NFATc1に制御される破骨細胞骨吸収機構およびその調節機構の解析
Project/Area Number |
21791394
|
Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
北川 教弘 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教 (30294284)
|
Keywords | 破骨細胞 / 骨代謝 / NFAT2 / 膜タンパク質 / アクチン / HB-EGF / シグナルシーケンストラップ |
Research Abstract |
転写因子NFATc1/NFAT2が細胞融合以降の分化過程に必須な鍵因子であることから、NFAT2が細胞融合や骨吸収活性に関連する膜タンパク質や脂質制御因子の発現を調節すると考えられた。そこでNFAT2の制御下で発現し、DAP12との会合が報告されているタンパク質RADIO(仮称)に着目した。RNA干渉法によりRADIOの発現を抑制するとDAP12遺伝子ノックアウトマウス由来の破骨細胞で観察される破骨細胞と類似した形態異常および骨吸収活性の低下が観察されたことから、RADIOが破骨細胞のアクチン細胞骨格制御および骨吸収活性に必要であることを見出している。 本年度は、1)RADIOノックダウン細胞におけるアクチンリング形成異常および骨吸収活性の低下は、サイレンシング変異を導入した野生型RADIOの導入により回復するのに対し、DAP12との会合能を欠質した変異体や細胞外領域の欠質変異体では回復しえないこと、2)単核破骨細胞をビトロネクチンで刺激した際に、DAPI2 ITAM内リン酸化チロシン残基に結合するSykとRADIOの会合が亢進すること、を見出した。DAP12遺伝子欠損マウス由来破骨細胞がアクチン細胞骨格異常を呈することが報告されていることと考え合わせ、以上の結果はRADIOが破骨細胞における重要なDAP12 associated receptorとして機能し、DAP12とともにアクチンリング形成を介して破骨細胞の骨吸収活性獲得に関わることを強く示唆する。さらにRADIO遺伝子の骨代謝における役割を検証するため、3)RADIO遺伝子欠損マウス作成を行い、ヘテロマウス個体の作成に成功した。
|
Research Products
(7 results)