2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21791396
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
熊橋 伸之 Shimane University, 医学部, 助教 (00457178)
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Keywords | プラズマ / 骨折 / 骨癒合 |
Research Abstract |
1. プラズマによる骨表面化学構造変化 黒毛和牛長幹骨から骨片を採取し、表面にプラズマ発生装置にてプラズマ照射を行った。プラズマ照射後の骨片表面にX線を照射し、生じる光電子のエネルギーを測定し、サンプルの構成元素とその電子状態を分析しているが、現在プラズマ照射の至適条件の検討中である。 2. プラズマ処理骨の骨細胞に対する効果 黒毛和牛大腿骨から骨片を採取し、表面にプラズマ発生装置にてプラズマ照射を行った。プラズマ処理した骨板上で、骨芽細胞系培養細胞MT3T3-E1を2x10^6/dish濃度で培養し、培養後1週の骨片上の細胞をアクリジンオレンジで染色して形態を観察し、骨芽細胞形質の発現や石灰化を検索しているが、骨芽細胞系培養細胞の付着しやすい骨片へのプラズマ照射の至適条件の検討中である。 3. プラズマ処理骨の骨癒合に対する効果 黒毛和牛長幹骨から骨片を採取し、精密に作製できる工作機械(誤差0.5μm;MTS4、ナノ社、東京)で、直径3mm、長さ20mmの骨釘を作製し、表面にプラズマ照射を行った。本照射条件は、アドテック社製大気圧下プラズマ発生装置を用いて、電力150w、He流量3L/min、ガスO_2で行った。静脈麻酔下に日本白色家兎(17羽)大腿骨顆部を展開して、これに骨孔を作製してプラズマ処理骨釘(12羽)を挿入し、術後1週と2週にと殺して、骨移植部をマイクロCT、インストロン引っ張り試験器による引き抜き強度、組織学的変化を比較した。コントロール群はプラズマ処理を行わなかったものとした(5羽)。マイクロCTではプラズマ群の新生骨梁は有意に増加していた。固定強度においては術直後には両群間に有意差を認めなかったが、術後2週ではプラズマ群のほうが有意に高かった。組織学的評価では、破断は新生骨梁と骨釘の間では生じておらず、新生骨梁ほぼ中央でおきていた。
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