2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21791396
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
熊橋 伸之 島根大学, 医学部, 助教 (00457178)
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Keywords | プラズマ / 骨折 / 骨癒合 / 骨芽細胞 |
Research Abstract |
1.プラズマによる骨表面化学構造変化 黒毛和牛長幹骨から骨板を作製し(10x10x3mm)、その表面を平滑に処理しプラズマ照射を行った。プラズマ条件を気圧下(1分),電力100w,起動ガス(Ar)1slm,反応ガス(O_2)0.1slmで照射後、X線光電子分光法で表面性状を評価したところ、微細な変化を生じていることを確認できた。 2.プラズマ処理骨の骨細胞に対する効果 上記の如く骨板に骨孔を作製しプラズマ照射を行った。プラズマ条件は大気圧下(1,30,60分),電力150w,起動ガス(He)3slmとし、反応ガスに酸素と窒素(各2slm)の2種を用いた。プラズマ処理した骨板上で、骨芽細胞系培養細胞MT3T3-E1を1x10^6/dish濃度で培養し、培養後4週の骨片上の骨芽細胞数をアクリジンオレンジで染色して観察したところ、プラズマ照射時間、反応ガスの種類の間に有意差を認めなかったものの酸素、窒素共に30分、60分で細胞数が多い傾向にあった。 3.プラズマ処理骨の骨癒合に対する効果 黒毛和牛長幹骨から骨釘を作製(直径3mm,長さ20mm)し、オートクレープ滅菌後プラズマ照射を行った。条件は大気圧下(30分),電力150w,起動ガス(He)1slm,反応ガスに酸素と窒素(各2slm)および反応ガスなしの3群とした。非処理骨釘を対象群とし日本白色家兎の大腿骨顆部へ移植した。術後10日で屠殺しマイクロCTによる骨癒合評価の後、固定強度を測定した。非処理骨釘に比べ酸素プラズマ処理骨釘が良好な骨癒合と高い固定強度を獲得していることを確認した。骨癒合に対し促進効果を与える可能性があると考える。
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