2009 Fiscal Year Annual Research Report
生体吸収性ポリマーを用いたsiRNA導入法の開発-骨再生への応用-
Project/Area Number |
21791408
|
Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
鈴木 亨暢 Osaka City University, 大学院・医学研究科, 後期研究医 (00445016)
|
Keywords | ポリマー / siRNA / rhBMP-2 / Noggin |
Research Abstract |
生体へのsiRNA導入方法についてはエレクトロポレーション法やウイルスベクターを用いた方法などが報告されているが、組織障害性やインターフェロン応答活性化による作用の減弱など未だ問題点が多い。そこで我々は生体吸収性ポリマー(以下ポリマー)が徐放性を有する点に着目し、ポリマーを用いたsiRNA導入法を考案し、その導入効率及び有効性を検証した。 まず、蛍光標識されたdsRNAとPLA-DX-PEGポリマーを種々の濃度で混合し、マウス背筋筋膜下に埋植、経時的に周囲の筋肉を取り出して組織学的に導入量を検討した。対照としてエレクトロポレーション法による導入を行い、両者を比較検討した。ポリマーによる導入法において、用量依存的な蛍光強度の増強を認め、組織切片にて細胞内に蛍光標識dsRNAの導入を確認した。また、ポリマーによる導入量は、エレクトロポレーション法による導入量と同程度であることを経時的に確認した。次に、実際の分子をターゲットとした場合の有効性を検討するためにrhBMP-2とそのantagonistであるNogginのsiRNAを含有させたポリマーをマウス背筋筋膜下に埋植し、周囲筋肉組織を採取し、real-time RT-PCRにてNoggin mRNAの発現量を経時的に評価した。rhBMP-2単独では埋植周囲の筋肉組織にNoggin mRNAの発現上昇が見られたが、Noggin siRNAの混合により発現上昇がコントロールレベルまで抑制された。また、タンパクレベルでも免疫染色法にて同様にNogginの発現抑制を確認した。最後に、埋植2週後に異所性化骨を摘出してSoft X-rayを撮影し、DXA法により骨塩量を計測した。Noggin siRNA含有群でのBMP骨形成作用の増強を確認した。 生体へのsiRNA導入法として、生体吸収性ポリマーを用いた導入法が有効であることが示された。今後さらに長期間、効率的にsiRNAを導入できる様にポリマーの分子量や配合比の調整を行い、臨床応用を目指す予定である。
|
Research Products
(2 results)