2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21791410
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
宮内 芳輝 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (90445411)
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Keywords | 整形外科 / 破骨細胞 / 転写制御 |
Research Abstract |
我々は転写抑制因子Blimp1の破骨細胞特的欠損マウス(Blimp1 cKO)を樹立し、Blimp1が破骨細胞分化に必須の分子であることを他に先駆けて見出した。Blimp1 cKOの骨組織では破骨細胞数の減少および骨量増加を認め、またBlimp1 cKO由来の細胞はin vitroでも破骨細胞分化不全を来すことが明らかになった。このとき破骨細胞の分化マーカー遺伝子の発現が著減していたことから、我々はBlimp1欠損により何らかの転写抑制因子の発現亢進が生じ、分化マーカーの発現を抑制したものと推測した。この推測に基づき探索を行った結果、転写抑制因子Bcl6の発現がBhmp1欠損により亢進していること、およびBlimp1がBcl6プロモーターに結合することが明らかになった。さらにBcl6が分化マーカーのプロモーターに結合することを見出し、その発現を抑制することが強く示唆された。Bcl6欠損マウス(Bd6 KO)の骨組織を解析した結果、破骨細胞分化亢進および骨量減少を認め、またBcl6 KO由来の細胞はin vitroで破骨細胞分化が亢進していることが明らかになった。本年度は両遺伝子の機能的連関を検証するため、Blimp1 cKOにBcl6欠損を導入した二重欠損マウス(DKO)を樹立して解析を行った。DKOの骨密度はBlimp1 cKOと比較して減少し表現型の改善が認められた。またin vitroでもDKO由来細胞では破骨細胞形成の回復が認められた。以上の結果から、Blimp1およびBcl6が正常な破骨細胞分化、ひいては骨恒常性の維持に必須であることを明らかにすることができた。一方でDKOでの破骨細胞分化は完全な回復には及ばなかったことから、Blimp1は破骨細胞分化過程において複数の標的遺伝子を制御していることが強く示唆され、その解明は今後の重要な課題であると考えられた。
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Research Products
(4 results)