2009 Fiscal Year Annual Research Report
骨軟部腫瘍におけるCD44およびADAM17の発現および機能解析
Project/Area Number |
21791413
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
中山 タラントロバート Keio University, 医学部, 助教 (00365298)
|
Keywords | 骨軟部腫瘍 / 転移 / CD44 / APAM17 / 肉腫 / 発現解析 |
Research Abstract |
本研究の研究計画の柱は、(1)臨床検体を用いたCD44/ADAM17発現様式の詳細な検討と、(2)ADAM17によるCD44のsheddingの機能解析の2つである。これまで蓄積した凍結保存検体が存在したため、(1)を平成21年度の中心課題とした。(2)に関しては、腫瘍切除で得られた臨床検体からの初代培養系の確立と、細胞株の収集を行った。 1.臨床検体を用いたCD44/ADAM17発現様式の検討 骨軟部腫瘍におけるCD44の発現に関する報告は限られているが、研究代表者のマイクロアレイを用いたゲノム網羅的遺伝子発現解析のデータから、病理学的に紡錘形細胞や多形細胞を特徴とする、高悪性度の腫瘍にmRNAレベルでCD44の発現が高い傾向にあることが示された。平成21年度は既存の凍結保存検体に加え、整形外科手術の際に得られる新規臨床検体を用いて、凍結保存あるいは初代培養を行い、RT-PCR、Western blotting、免疫組織化学染色、細胞染色などによってmRNAレベル、および蛋白レベルでの発現解析を行った。マイクロアレイの結果同様、いくつかの高悪性度の腫瘍で発現が確認されたものの、その臨床病理学的な意義までは解析が及ぼなかった。骨軟部腫瘍は病理組織学的に非常に多彩であることに加え、症例(腫瘍)間で発現にばらつきも大きいことが原因と考えられたため、引き続き臨床検体の収集と発現解析を行い、骨軟部腫瘍におけるCD44の発現の意義の解析を継続する必要がある。
|