2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21791415
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
野尻 英俊 順天堂大学, 医学部, 助教 (10317456)
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Keywords | 加齢 / 酸化ストレス / モデルマウス / SOD / 骨格筋 / ミトコンドリア / ATP / 運動能力 |
Research Abstract |
ミトコンドリア呼吸の副産物として発生する活性酸素による組織傷害は加齢による生体機能低下の主要な原因と考えられている。Mn-SODはミトコンドリ内腔のマトッリックスに局在し活性酸素の一種であるスーパーオキサイドを分解する活性を持つ。骨格筋における活性酸素の影響を明らかにするために、骨格筋特異的CreマウスとMn-SOD floxマウスとの交配にて骨格筋特異的Mn-SOD欠損マウスを作製した。本欠損マウスを解析したところ正常に発育し、伸長、体重等の形態学的な異常は認められなかった。骨格筋重量は若齢および30ヶ月齢においても変化なく筋萎縮は認められなかったがミトコンドリア内スーパーオキサイドの過剰発生、DNA酸化障害の更新が確認された。組織学的解析では腓腹筋において中心核が顕著に認められ、筋繊維の再生像が観察された。ミトコンドリアに顕著な形態学的異常は認められなかったが、ミトコンドリア呼吸酵素活性を調べたところ、呼吸酵素複合体II活性が著しく低下していた。運動機能を調べるために自発行動量と強制走行能を調べた。その結果、自発行動量は野生型マウスと有意差は認められなかったが、トレッドミルによる強制走行能力が著しく低下していた。またその低下は著しい血中乳酸値の増加と骨格筋内ATP量の低下を伴っていた。本欠損マウスの運動機能低下に対する抗酸化剤のレスキュー効果を明らかにするために、SOD/カタラーゼ活性を有するサレン-マンガン錯体を腹腔内に単回投与した。その結果、24時間後に著しく強制走行時間が延長し、96時間まで走行能力が持続した。投与により、骨格筋内ATP量の著明な回復が捉えられた。以上の結果から、骨格筋特異的Mn-SOD欠損マウスは骨格筋ミトコンドリア呼吸鎖が障害されATP量が枯渇することで強制走行能力が低下し、抗酸化剤投与によりATP量が回復し、走行能力が延長することが明らかとなった。
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