2010 Fiscal Year Annual Research Report
サイトカインLECT2の軟骨細胞に対する作用機序の解析
Project/Area Number |
21791422
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Research Institution | Research Institute, International Medical Center of Japan |
Principal Investigator |
奥村 彰規 独立行政法人国立国際医療研究センター, 臓器障害研究部, 研究員 (90392357)
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Keywords | 蛋白質 / 発生・分化 |
Research Abstract |
本年度は、未分化状態および分化誘導時におけるLECT2の役割解析を目標とし、in vitroの培養細胞をつかい、単純化した系において主に実験を実施した。 1)培養細胞を用いた遺伝子発現解析 軟骨前駆細胞ATDC5細胞に、CHO細胞由来のマウスリコンビナントLECT2を作用させて6時間後のRNAを調製し、アジレント社製のDNAマイクロアレイで解析を行った。全体の変化は少ないながらも1.5倍以上の変動を見せた遺伝子群の中に、軟骨細胞の分化・成熟に関与する遺伝子も含まれていた。 2)培養細胞を用いたLECT2の生理活性の探索 未分化状態および分化誘導中であるATDC5細胞に、CHO細胞由来のマウスリコンビナントLECT2を作用させてWST-8試薬およびBrdU取り込みによる細胞増殖率を測定した。軟骨細胞の増殖刺激因子であるLECT2存在下で、未分化状態のATDC5細胞では逆に増殖阻害が見られた。 3)LECT2の機能に関する構造解析 LECT2はアミノ酸配列の相同性から亜鉛イオンを活性中心にもつタンパク質であるペプチダーゼM23のグループに分類されている。しかしLECT2が亜鉛イオンを結合するかどうかは不明であった。そこで、LECT2の生理活性の探索の一環として、亜鉛イオン結合タンパク質であるか否かをelectrospray ionization mass spectrometryおよびX-ray absorption fine structureにより解析した。その結果、LECT2は亜鉛結合タンパク質であることを明らかとした。
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