2009 Fiscal Year Annual Research Report
麻酔薬プレコンディショニング作用のミトコンドリアイオンチャネルに与える影響
Project/Area Number |
21791427
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
丹保 亜希仁 Asahikawa Medical College, 大学病院, 非常勤医師 (80531524)
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Keywords | ミトコンドリア / イオンチャネル / マイトプラスト |
Research Abstract |
麻酔プレコンディショニングの心筋保護作用に重要な役割を果たしているミトコンドリアのイオンチャネルのほとんどはその内膜に存在することがわかっている。今回、ミトコンドリア内膜上のイオンチャネルの活動を研究するためにマイトプラストを作製した。マイトプラストはラットの心筋から得たミトコンドリアから作製した。十分な麻酔下にラットの心臓を摘出し、マンニトール-スクロース溶液内にて心室筋を細かく刻みホモジェナイズした。その後、ミトコンドリアを単離するために、低速(2000rpm)および高速(9000rpm)で遠心分離を行った(4℃)。単離されたミトコンドリアはMS溶液中にて氷上で保存した。この方法で得られた分画がミトコンドリアであることは、蛍光色素(マイトトラッカー)で標識し、蛍光顕微鏡下で確認した。また、ミトコンドリアの生理学的活性は酸素消費量の測定により正常であることを確認した。マイトプラストは上記の方法によって得られたミトコンドリアからOsmotic Shockを利用して作製した。ミトコンドリアの浮遊液を低浸透圧溶液中に入れ5分間のOsmotic Shockを与えた後、遠心分離を行い(4℃)マイトプラストを抽出した。得られたマイトプラストは高浸透圧溶液中にて氷上で保存し、パッチクランプ法による生理学的研究に用いた。 パッチクランプに用いたガラス電極は水平牽引型の電極作製器を使用し、抵抗はチャネル電流記録用の溶液中にて15-20MΩとなるように調整した。電極内、記録チャンバー内ともに等浸透圧溶液を用い、記録はcell-attached mode及びinside-out modeにて行った。今回の研究でターゲットとしたmitoK_<Ca>チャネル、mitoK_<ATP>チャネル、及びIMACの中であるが、チャネルのコンダクタンスからmitoK_<ATP>チャネル電流と思われる電流は記録できなかった(過去に発見率4%との報告あり)。また、mitoK_<Ca>チャネルでは記録に用いるCa濃度の調整、アンタゴニストの使用により同定が可能と考えられる。IMACではKC 1をCsClで置換するなど、IMAC電流のアイソレーションを確実にしたいが、その際ほかのKチャネルが記録できないため、今後も最適な条件の検討が必要と考えられる。
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