2009 Fiscal Year Annual Research Report
神経再生と神経分化制御因子を用いた神経障害性疼痛治療法の開発
Project/Area Number |
21791432
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
関本 研一 Gunma University, 医学部, 助教 (90515090)
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Keywords | 神経障害性疼痛 / Notch signal |
Research Abstract |
Notch signalが神経系の細胞にどのように作用しているかを解明する一端として、マウス小脳の神経前駆細胞にNotch signalを過剰発現させた細胞に対する栄養因子の効果を検討した。まず、マウス小脳の神経前駆細胞にNotch receptorが発現しているかどうかを確認するためにNotch ligandの一種であるNotch 1とNotch receptorの一種であるJagged 1が発現しているかどうかをPCR法により確認した。結果、マウス小脳神経前駆細胞の主要な成長因子であるEGF(epidermal growth factor)の存在の有無にかかわらず、Notch 1とJagged 1は発現している事が確認された。また、マウス小脳神経前駆細胞にNotch細胞内ドメイン(NICD)を発現したAdeno virusを感染させる事によりNICDを過剰発現させた細胞がNotch signalの標的遺伝子を発現させているかどうかをGFP発現Adeno virusを感染させた細胞と比較してRT-PCRにより確認した。その結果、HERP1,2とHES 1では標的遺伝子の発現量に差は認められなかったが、HES5はNICDを過剰発現させた細胞で遺伝子の発現量が増加している事が確認できた。以上より、マウス小脳神経前駆細胞にはNotch ligandが発現しており、その標的遺伝子はHES 5が主でHES 1はほとんど標的になっていない事がわかった。他の神経細胞ではHES 1は主要な標的遺伝子であるが、これが発現していない事によりマウス小脳神経前駆細胞ではNotch signalの効果が他と違う物である可能性が示唆された。 また同時に、神経障害性疼痛の治療薬研究の一環として、効果が期待されているガバペンチンやデクスメデトミジンの使用経験を検討し、発表した。
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