2010 Fiscal Year Annual Research Report
モルヒネ耐性形成後のα2受容体作動薬による鎮痛作用機序の解明
Project/Area Number |
21791441
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
石井 秀明 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (60529775)
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Keywords | 疼痛管理学 / 神経因性疼痛 / オピオイド耐性 |
Research Abstract |
オピオイドの鎮痛効果が減弱する耐性の機序を解明するため、20から25gのマウスをもちいて行動学的実験を施行した。Hot plateによる熱刺激による逃避反応までの潜時を測定した。 1、フェンタニルの用量依存性 マウスの腹腔内にフェンタニルを単回投与したところ用量依存性に潜時が延長した。カットオフ値60秒で、EC50は100μg/kgであった。 2、急速単回投与による反応 フェンタニル100μg/kgを1時間に4回腹腔内投与した後に、モルヒネ10mg/kgを腹腔内投与した。生食のみのコントロール群と比較したところ潜時に有意差を認めなかった。また呼吸抑制を生じなかった。 3、持続投与による反応 フェンタニル200μg/kg/hを8時間投与した後に熱刺激を加えたところ、20%のマウスで潜時の延長が認められなかった。 現時点でフェンタニル100μg/kg、モルヒネ10mg/kg投与では耐性は認められなかったものの、フェンタニル200μg/kg/hでは耐性が形成される可能性が示唆された。今後は用量、投与時間および個体数を増やし、さらなる検討が必要である。
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