2011 Fiscal Year Annual Research Report
モルヒネ耐性形成後のα2受容体作動薬による鎮痛作用機序の解明
Project/Area Number |
21791441
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
石井 秀明 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (60529775)
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Keywords | 疼痛管理学 / 神経因性疼痛 / オピオイド耐性 |
Research Abstract |
具体的内容 目的:オピオイド耐性における痛覚伝達機構の解明のために、行動学的実験を施行した。 方法:マウス(20~25g)を用いて、セボフルランによる全身麻酔を施行した後に、腹腔内に持続投与用カテーテルを留置した。持続注入器を用いて、超短時間作用性オピオイドであるレミフェンタニルを腹腔内投与した。Plantar testにて、逃避行動までの潜時を測定した。 結果:1、レミフェンタニル240mg/kg/hを1時間持続投与したところ、投与中に潜時が短縮することはなかった。さらに投与中止後1時間でも、潜時の短縮は認められなかった。 2、レミフェンタニルを240mg/kg/hから120mg/kg/hに投与量を漸減し、3時間投与したところ、投与中および中止後に潜時が短縮することはなかった。 3、レミフェンタニルの投与量を120mg/kg/hに一定にして、4時間投与したところ、投与中に潜時が短縮することはなかった。投与中止後は、長時間投与したにもかかわらず、速やかにその鎮痛効果は消失し、潜時が短縮することはなかった。 本年度研究結果の重要性 オピオイドを大量に長時間投与した場合、その曝露時間に比例してオピオイド耐性は生じるものと予想された。しかしながら、超短時間作用性オピオイドは、充分な鎮痛効果がありながらも、長時間投与し急激に投与中止してもオピオイド鎮痛耐性は生じにくいことが示唆された。この現象がオピオイドの種類や作用時間に起因するものか不明なままであるが、臨床において耐性形成の防止に寄与するかどうか更なる研究が必要である。
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