2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21791443
|
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
柴田 純平 Shinshu University, 医学部, 委嘱講師 (20324262)
|
Keywords | 手術痛 / 定量 / 近赤外線法 / BIS / AEP |
Research Abstract |
神経活動を非侵襲的にモニタリングするには脳表からの記録がもっとも有用である.これまではfMRIやPET,脳磁図などが脳の局所機能評価法として発展してきた.これらの方法の多くは,ニューロンの活動亢進に伴う脳局所血流変化を鋭敏に捉え画像化するもので,侵害刺激の大きさに応じて,脳表の一次感覚野(1, 2, 3a, 3bなど)には血流増加が生じることが知られている.一方,近赤外分析法を用いた組織酸素モニタリング法により,脳血流変化を高い時間分解能で解析できるようになった.そこで本研究ではボランティア,および手術患者を対象として,末梢神経刺激(非侵害-侵害刺激),実験的皮膚切開,および実際の手術侵襲による一次感覚野や周辺部位の脳血流変化と、BISおよびauditory evoked-potential(AEP)を解析し,術中の侵害情報のモニタリングへの応用基盤を明らかにする.これらの結果をもとに,侵害情報にもっとも鋭敏に反応する皮質部位や脳表からの深度を解明し,本目的に適した赤外線装置と解析ソフトウェアの開発をも行う. BISとAEPは術中の気管挿管、皮膚切開、腹膜切開などに対する応答が異なり、手術ストレスに対する応答が異なる可能性が示唆された.一方、NIRO2000を用いて、手術開始時の脳表血流変化を計測したところ、セボフルラン麻酔と硬膜外麻酔とでは反応性が異なることが示され、今後、術中の痛みの変化として捉えることができる可能性が示唆された(右図)。今後、さらに検討を重ねて比較検討が求められる。
|