2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21791460
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
高橋 晋一郎 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (50457769)
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Keywords | ゲノム / 剤反応性 / 非脱分極性筋弛緩薬 |
Research Abstract |
細胞膜を通して生体が何らかの物質を細胞内に取り入れる際、受動的な拡散による取り込みのほかに、トランスポーターを介した物質の取り込み機構がある。全身麻酔の際に使用される非脱分極性筋弛緩薬であり、世界中で汎用されているベクロニウムは、投与後3-5分で体動を消失させ、人工呼吸、手術が安全に実施できるようになる。しかし、その反応には個人差があり、短時間で効果が消失することもあれば、作用が予想以上に遷延することもある。ベクロニウムは投与直後から肝臓への再分布が起こり、急速に血中濃度が減少する。単純な拡散による取り込みではなく、担体を介した機構が存在することが考えられ、個体差はその遺伝子多型が関係している可能性がある。本研究では肝細胞のモデルとして使用されているHepG2を使用し、基質の取り込みと筋弛緩薬による影響を検討した。肝臓にはOATP、OCTファミリー等、様々なトランスポーターが発現している。理想的な実験系としてはベクロニウム(VCB)、ロクロニウム(RCB)の取り込みを見ることであったがVCB、RCBそのものをラベルしたものは入手が困難であり、代表的な基質としてMPPを使用した。MPPに対する阻害作用を観察したところ、MPP10uMに対して1mMのVCB、RCBはそれぞれ35.6%、42.9%に阻害作用を示した。MPPを基質とするトランスポーターとしてOCT1が考えられるが、その遺伝子多型による影響を受ける可能性が考えられる。
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