2010 Fiscal Year Annual Research Report
Sema3Aの疼痛抑制作用における神経成長因子の関与の解明
Project/Area Number |
21791462
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
紙谷 義孝 横浜市立大学, 医学部, 助教 (90381491)
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Keywords | 神経因性疼痛 / 神経ガイダンス因子 / 神経成長因子 / 疼痛軽減作用 / 疼痛メカニズム |
Research Abstract |
平22年度は第5腰神経切断による神経因性疼痛モデル(SNL)ラットにおいて、Sema3Aシグナリングの活性化が抗疼痛効果を有する事を確認するため、恒常的に活性化しているPlexinAの変異体をヘルペスウイルスベクターを用いて予め後根神経節(DRG)に発現させておき、疼痛行動を測定したところ、Sema3AタンパクをSNLラットのくも膜下腔に投与したときと同様に疼痛行動が抑制されていた。ヘルペスウイルスはDRGにおいてタンパクを発現させるため、DRGにおけるSema3Aシグナリングの活性化が抗疼痛効果を発揮することが示唆された。同時にパクリタキセル(Ptx)投与による神経因性疼痛モデルラット作成のための条件検討を行い、一般的に用いられる量の4倍に当たる32mg/kg/4週間で、80%以上のラットで機械的刺激、アセトンを用いた寒冷刺激に対して過敏性を示し、このdoseでのモデル作成を行うこととした。Ptxによる疼痛モデルラットの脊髄及びDRGにおけるNGF及びその受容体であるTrkAの発現量をウエスタンブロッティングで定量したところ、Naiveラットと比較して脊髄においてはTrkAの発現量に変化はなかったものの、NGFの発現量の増加が認められた。現在はその他の神経成長因子及びその受容体、Sema3A及びその受容体の発現量の変化を測定している。研究成果の一部はNeurosci Res.2011 Jan ; 69(1) : 17-24.に発表され、ウイルスを用いた研究は投稿後revise中である。
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