2011 Fiscal Year Annual Research Report
Sema3Aの疼痛抑制作用における神経成長因子の関与の解明
Project/Area Number |
21791462
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
紙谷 義孝 横浜市立大学, 医学部, 助教 (90381491)
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Keywords | 神経因性疼痛 / 神経ガイダンス因子 / 神経成長因子 / 疼痛軽減作用 / 疼痛メカニズム |
Research Abstract |
平成23年度はパクリタキセル(Ptx)投与による神経因性疹痛モデルラットを用いて、脊髄及びDRGにおけるNGF及びその受容体であるTrkA、BDNF及びその受容体であるTrkBの発現量をウエスタンブロッティングで定量した。Ptx投与ラットではコントロールラットと比較して、DRGではNGF及びTrkAが、脊髄においてはNGFの発現量の増加が認められた(DRG:NGF 1.4倍、TrkA 3.2倍、脊髄:NGF 1.4倍、TrkA 1.2倍)。今後TrkAの局在と、Ptx投与によって影響を受けている神経ないしは神経支持組織の同定を免疫染色並びにin situ hybridizationを用いて進めている。一方CCIラットを用いて神経障害によって変化するSema3A signalingの下流の因子の定量を行い、CCI2週間後のラットの脊髄後角においてはCDK5の有意な減少が見られ、DRGにおいてはCRMP2の有意な増加、リン酸化の相対的な低下を認めた。神経障害によるSema3A関連分子の発現変化を捉えた研究は今までになく、今後は障害からの時期によってこれらタンパクの発現やposttranslational modification(リン酸化等)がどのように変化していくのか、どの細胞においてこれらの変化が起こっているのかを明らかにし、Sema3Aによる疹痛緩和作用がこれらの減少と直接関与しているのかを動物実験で明らかにしていく予定である。なお、パクリタキセル投与の研究はIASP2012(ミラノ、8月)で発表予定であり、CCIラットのSema3A関連分子の発現変化に関する研究はASA2012(ワシントンDC、10月)に演題提出している。なお、昨年報告したrevise中の論文は、研究を主に行なっていた元大学院生の病気療養のため、まとめるのが遅れており、平成24年度中に再度投稿予定である。
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