2011 Fiscal Year Annual Research Report
局所麻酔薬の中枢神経作用の検討-脳波への影響および併用薬物による変化について
Project/Area Number |
21791468
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
田中 克明 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (60445038)
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Keywords | 局所麻酔薬 / フェンタニル / レミフェンタニル / 脳波 / 血中濃度 / Target Controlled Infusion |
Research Abstract |
[基礎研究]8-9週齢のSprague-Dawley系雄ラットを用いた。大脳辺縁系の側坐核にガイドカニューレを、反対側の側坐核に脳波測定用貼り合せ電極を挿入した。2-3日後、セボフルラン麻酔下で頚動静脈にカテーテルを留置した後に覚醒させ、リドカイン、ブピバカイン等の局所麻酔薬を投与し、マイクロダイアライシス装置を用いて脳細胞外液における麻酔薬の濃度を経時的に測定した。脳波はPowerLab(バイオリサーチセンター)で取り込んだ後に専用のコンピューターソフトウェア(Vital Tracer, Bimutas II, Kissei Comtec)で変換、解析を行った。また、Target Controlled Infusion用コンピュータープログラム(StanPump)を用いて、予想血中濃度が一定になるようにフェンタニル又はレミフェンタニルの投与を開始し、フェンタニルもしくはレミフェンタニルの効果部位濃度によって、局所麻酔薬投与による脳波変化がどのような影響を受けるかを検討した。 [臨床研究]硬膜外併用全身麻酔を受ける症例を対象とした。全身麻酔導入後に局所麻酔薬(レボブピバカイン)を持続投与した。また、市販の自動麻酔記録システム(ORSYS, Philips)により、算出される予想濃度を参考にして、血中濃度が一定になるようにフェンタニル又はレミフェンタニルを投与した。脳波の記録には市販のBispectral Index(BIS)モニターを用い、データの出力にはコンピューターソフトウェア(Bsa for A2000,萩平)を用いた。当初は早期に目標効果部位濃度到達を得るために局所麻酔薬のボーラス投与後に持続投与を行う予定であったが、血圧低下が強いために持続投与のみとした。およそ投与1時間後には安定した脳波が得られ、シミュレーション上の効果部位濃度が定常状態に達したことを反映する知見が得られたものと考えられる。
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