2009 Fiscal Year Annual Research Report
選択的Naチャネル阻害薬の開発を目指した、吸入麻酔薬・鎮痛薬の作用機序解析
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21791480
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
堀下 貴文 University of Occupational and Environmental Health, Japan, 医学部, 講師 (40369070)
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Keywords | ナトリウムチャネル / アフリカツメガエル卵母細胞発現系 / ニユーロステロイド / 鎮痛作用 / 麻酔作用 / PS / 疼痛機構 / 新たな鎮痛薬開発 |
Research Abstract |
申請者は、難治性疼痛に対する新たな鎮痛薬の開発に貢献するため、電位依存性ナトリウムチャネル(Na_v)に関する疼痛機構を分子レベルで解析することを計画した。具体的には、1.アフリカツメガエル卵母細胞発現系を用いた種々の野生型Na_vαサブユニットに対する吸入麻酔薬・鎮痛薬の影響解析、2.遺伝子変異株による同薬物のNa_vにおける作用部位の同定、3.遺伝子変異マウスを用いた行動薬理学的解析、4.遺伝子変異マウスDRG細胞を用いたパッチクランプ法によるNa_vへの影響解析である。 平成21年度は、アフリカツメガエル卵母細胞発現系を用いた種々の野生型Na_vαサブユニットに対する吸入麻酔薬・鎮痛薬の影響解析を行った。まず、申請者が保有している8種のNa_vαサブユニットのうち、脳神経に多く分布するNa_v1.2、筋肉型のNa_v1.4、脊髄に多く分布するNa_v1.6、Na_v1.8の4種類のサブユニットをアフリカツメガエル卵母細胞に発現させることに成功した。生体内に存在するプレグネノロン硫酸塩(PS)、デヒドロエピアンドロステロン硫酸塩(DHEAS)、アロプレグナノロン(AP)などのニューロステロイドや、合成ニューロステロイドであるアルファキサロンは、鎮痛作用や麻酔作用を持つことが知られているが、Voltage-Clamp法によって、脱分極によるナトリウムカレントに対するこれらの薬物のNa_v1.2に対する影響を検討した。その結果、PS、DHEASがNa_v1.2の機能を抑制した。これらの結果により、ニューロステロイドの鎮痛作用、麻酔作用の機序の-つとしてNa_vの抑制機序が含まれる可能性が示唆された。今後、申請者が含有する全てのαサブユニットを発現させ、それらに対する種々の鎮痛薬、麻酔薬の影響を詳細に検討する予定である。
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