2011 Fiscal Year Annual Research Report
選択的Naチャネル阻害薬の開発を目指した、吸入麻酔薬・鎮痛薬の作用機序解析
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21791480
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
堀下 貴文 産業医科大学, 医学部, 講師 (40369070)
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Keywords | ナトリウムチャネル / ニューステロイド / 鎮痛作用 / 疼痛機序 / 内因性カンナビノイド / 作用機序 / 新たな鎮痛薬開発 |
Research Abstract |
申請者らは、難治性疼痛に対する新たな鎮痛薬の開発に貢献するため、電位依存性ナトリウムチャネル(Na_v)に関する疼痛機構を分子レベルで解析することを計画した。具体的には、1)アフリカツメガエル卵母細胞発現系を用いた種々の野生型Na,αサブユニットに対する吸入麻酔薬・鎮痛薬の影響解析、2)遺伝子変異株による同薬物のNa,における作用部位の同定、3)遺伝子変異マウスを用いた行動薬理学的解析、4)遺伝子変異マウスDRG細胞を用いたパッチクランプ法によるNa_vへの影響解析、である。 平成22年度に、脊髄・脊髄後根神経節に多く発現し疼痛機序に深く関与すると考えられている野生型Na_vαサブユニット、Na_v1.6、Na_v1.7の機能を、強い鎮痛作用を持つニューロステロイド、プレグナノロン硫酸塩(PAS)、アロプレグナノロン硫酸塩(APAS)が抑制することを確認したが、平成23年度ではさらに、Na_v1.6、Na_v1.7同様に脊髄・脊髄後根神経節に発現し痙痛機序に関与すると考えられるNa_v1.2、Na_v1.8に対する同薬物の影響を調べたところ、Na_v1.2に対しては強い抑制作用を、Na_v1.8に対しては増強作用を持つ事が確認された。これらのニューロステロイドがナトリウムチャネルの異なるサブユニットに対して抑制・増強という正反対の作用を持つ事は、このチャネルに関する疼痛機序を考慮・模索する上で重要な発見であると言え、現在投稿準備中である。また、強い鎮痛作用を持つ内因性カンナビノイド、アナンダマイドがNa_v1.2、Na_v1.6、Na_v1.7、Na,1.8機能を抑制することを確認し、アナンダマイドの作用機序の一つであることが示唆され、現在投稿準備中である。
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Research Products
(1 results)