2010 Fiscal Year Annual Research Report
ダイオキシン類介在性アンドロゲン受容体分解による前立腺癌細胞増殖抑制
Project/Area Number |
21791482
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
丸山 覚 北海道大学, 病院, 助教 (80507591)
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Keywords | ダイオキシン受容体 / 前立腺癌 / ホルモン不応性癌 / アンドロゲン受容体 |
Research Abstract |
ダイオキシン受容体がヒト細胞に発現しているのか、発現しているのであればどの程度か、ヒト前立腺株を含む細胞株におけるダイオキシン受容体の発現状態をウェスタンブロットにより確認した。細胞株ごとに差異を認めており、ホルモン不応性癌との関連が示唆された。 ダイオキシン受容体のcDNAをさまざまな臓器のcDNAライブラリよりクローニングを行い、プラスミド作成をした。ヒト胎児由来293T細胞へのダイオキシン受容体をリン酸カルシウム法にて一過性トランスフェクションを行い、ウエスタンブロッティングにより発現を確認した。ダイオキシン受容体をアンドロゲン受容体とともに強発現させ、アンドロゲン受容体のユビキチン化と分解を促進の有無を確認した。 また、前立腺癌細胞株へのダイオキシン受容体の恒常発現株の作成も行い、レトロウィルスベクターを用いてアンドロゲン受容体を発現する前立腺癌細胞株(LNCaP、22RV1)ヘダイオキシン受容体をトランスフェクトし、恒常発現株を作成し、内因性ARの発現が低下もしくは消失するかどうか確認した。これら、過剰発現系の検討後にsiRNAによる発現抑制系の検討を今後も行っている。 また各種ダイオキシン類を選定し、これらリガンドが上記実験系に及ぼす影響を検討した。いくつかの増殖実験を行ったところ、代表的なリガンドとしての3-Methylcholanthrene (3MC)の場合は、元来アンドロゲン非存在下ではLNCaP増殖は抑制されるが、3MCによりLNCaP増殖はさらに抑制された。アンドロゲン非存在下でも3MCは増殖を抑制した。これによりホルモン不応性前立腺癌に対する治療効果が期待されると考えられた。
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