2009 Fiscal Year Annual Research Report
高脂肪食、肥満下の前立腺癌発症・進展におけるヘッジホッグーGLI伝達経路の役割
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21791487
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
成田 伸太郎 Akita University, 医学部, 講師 (40396552)
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Keywords | 前立腺癌 / 高脂肪食 / 発癌 |
Research Abstract |
高脂肪食マウスXenograftモデルを用いて癌増殖、浸潤能に関連する遺伝子、タンパクの発現解析を行ったところ、TWEAK-Fn14シグナル伝達経路がこの機序に関わっている可能性が示唆されたため、主にこの機序の解明を本年度はすすめた。前立腺全摘術で摘出したヒト前立腺癌組織標本において、癌上皮にFn14が高発現している群は非再発生存期間が有意に短いことを明らかにした。しかし、BMIとFn14の発現には相関は認められなかった。また、in vitroではTWEAK、Fn14がホルモン不応性前立腺癌細胞株PC3,DU145に高発現しており、siRNAを用いてFn14発現を抑制すると細胞浸潤能、遊走能が低下することを明らかにした。これらの結果はTWEAK/Fn14伝達経路が前立腺癌浸潤・転移に関与している可能性を示唆するものであり、高脂肪食下にこの経路の活性が認められるか、またこの経路の遮断における前立腺癌転移治療の可能性につき、今後研究を進めたいと考えている。現在まで癌化とTWEAKシグナルの関連を示す報告は散見されるものの脂肪食による癌化の過程にこの経路が関与するとの報告はない。これは脂肪食を介した癌化の機序解明の足がかりになるばかりでなく、広く前立腺癌予防戦略の構築にも貢献すると考えられる。
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