2010 Fiscal Year Annual Research Report
高脂肪食、肥満下の前立腺癌発症・進展におけるヘッジホッグーGLI伝達経路の役割
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21791487
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
成田 伸太郎 秋田大学, 医学部, 講師 (40396552)
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Keywords | 前立腺癌 / 高脂肪食 / 発癌 |
Research Abstract |
高脂肪食マウスXenograftモデルを用いて癌増殖、浸潤能に関連する遺伝子、タンパクの発現解析を行ったところ、TWEAK-Fn14シグナル伝達経路がこの機序に関わっている可能性が示唆されたため、主にこの機序の解明を昨年に引き続き本年度もすすめた。ホルモン不応性前立腺癌細胞株にTWEAKおよびFN14が高発現し、またFn14高発現が前立腺全摘術後の非再発生存期間に影響することをあきらかにした。また、in vitro,in vivoでFn14は前立腺癌細胞の浸潤能、遊走能、アポトーシスに関与することを明らかにした。これらの結果はTWEAK/Fn14伝達経路が前立腺癌増殖に関与している可能性を示唆するものであり、前立腺癌に対するターゲット治療の候補になる可能性があると考えられた。しかし、臨床検体による血清や癌上皮の免疫組織染色ではBMIとFn14の発現には相関は認められず、マウスモデルで高脂肪食摂取下に高発現したTWEAK-Fn14シグナル伝達経路は前立腺癌患者の肥満とは相関しないという結果であり、食事の違いによる癌増殖の機序解析には前立腺全摘術前前立腺癌患者への食事介入試験や、そのような患者から採取された血清を用いた癌細胞株の培養試験、またPTENやc-mycをターゲットとしたtransgenic mouseを用いて関与を検討する必要性があると考えられた。
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