2009 Fiscal Year Annual Research Report
前立腺癌に対する放射線応答性人工プロモーターの開発
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21791494
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
渡部 明彦 University of Toyama, 大学院・医学薬学研究部(医学), 助教 (20377253)
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Keywords | 前立腺癌 / 放射線 / 転写因子 / 人工プロモーター |
Research Abstract |
前立腺癌に対する放射線遺伝子治療に用いる放射線応答性人工プロモーターの開発を行っており、以下のような検討を行った。 (1)放射線により活性化する転写活性化因子の調査・解析:前立腺癌で活性化するとされる転写因子を文献的に検索し、転写因子NF-kB、AP-1、Oct-1、Nrf-2、p53の結合配列を選択した。(2)プロモータープローブベクターの構築と放射線反応性プロモーター候補断片ライブラリーの構築:選択した転写因子結合配列をランダムに組み合わせ、TATAボックスと組み合わせることで人工プロモーターを多数構築した。さらに構築した人工プロモーターの下流にルシフェラーゼ遺伝子を結合させたベクターを構築した。(3)構築したプロモーターの評価:人工プロモーター下流にホタルルシフェラーゼ遺伝子を結合したプラスミドと、コントロールプロモーター(HSV-TKプロモーター)下流にウミシイタケルシフェラーゼ遺伝子を結合したプラスミドを前立腺癌細胞株LNCaPに導入し、24時間後に10Gyの放射線を照射した。さらに48時間培養後、デュアルルシフェラーゼアッセイ法により細胞内のルシフェラーゼ活性を測定し、照射の有無におけるルシフェラーゼ活性を比較した。構築した30プロモーターすべてのスクリーニングを行ったところ、中でもclone880プロモーターにおいて、6.7±1.1倍と最も高い増強活性が得られることが分かった。(4)人工放射線反応性プロモーターの解析:構築したclone880プロモーターの評価を、放射線の線量、および放射線照射後の経過時間を変化させて評価を行ったところ、放射線線量依存的にプロモーターの増強活性が増加し、放射線照射後48時間で増強活性がpeakに達することが分かった。clone880プロモーターの塩基配列分析を行ったところ、組み合わせた5種類のエレメントのうちAP-1を除く4種類のエレメントにて構成されていることが分かった。
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