2009 Fiscal Year Annual Research Report
膀胱癌進展の分子機構におけるAurora-Aの役割の解明および新規治療の開発
Project/Area Number |
21791502
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
酒井 伊織 Kobe University, 医学部附属病院, 医員 (20533772)
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Keywords | Aurora-A / 膀胱癌 / siRNA |
Research Abstract |
Aurora-Aは細胞分裂期に発現し、中心体の成熟・分離、双極性紡錘体の形成、G2期からM期への進入、染色体の赤道面への整列など、分裂期の中心体機能を司っているキナーゼである。さらにAurora-Aの過剰発現と癌化との関連性が明らかになりつつあり、Aurora-Aは癌遺伝子としての機能を有する可能性が強く示唆されてきた。我々が作製したAurora-Aに対するciRNA(Aurora-A/siRNA)を含むプラスミドをヒト膀胱癌細胞株にリポフェクトアミン法にてトランスフェクションを行い、それぞれについてAurora-A/siRNAプラスミド導入細胞株とScramble/siRNAプラスミド導入細胞株を樹立した。なお、膀胱癌細胞株としては、我々の予備実験でAurora-A高発現株であることが確認されたUMUC3及びKoTCC-1をそれぞれ用いた。プラスミド導入の有無は細胞よりRNA及び蛋白を抽出し、real time RT-PCR法とWestern Blotting法にて確認した。樹立されたAurora-A/siRNA及びScramble/siRNAプラスミド導入細胞株を同条件下で培養し、経時的な細胞増殖能をMTT assayにより比較検討した結果、いずれの膀胱癌細胞株においてもScrambie/siRNAプラスミド導入細胞株に比してAurora-A/siRNA導入細胞株で有意に細胞増殖が抑制された。現在in vivoにおいても増殖能を比較検討中である。また、各種治療刺激に対するAurora-A/siRNA及びScramble/siRNAプラスミド導入細胞株の感受性の違いをMTT assayを用いて評価したところ、Aurora-A/siRNA導入細胞株ではScramble/siRNAプラスミド導入細胞株に比してDocetaxelに対する感受性が亢進した。現在、細胞周期およびアポトーシス誘導関連のシグナル伝達経路におけるAurora-A発現阻害の意義を検索するために、細胞周期およびアポトーシス関連蛋白の発現変化をWestern blottingにて検討中である。また、併用する治療刺激の種類により上述の各種効果に違いが生じるのか、あるいは治療の種類とは無関係にアポトーシス誘導刺激に対して普遍的に認められる効果であるのかを併せて評価する。
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