2009 Fiscal Year Annual Research Report
前立腺癌のホルモン非依存性進展におけるInterleukin-6の役割の解明
Project/Area Number |
21791503
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
寺川 智章 Kobe University, 医学部附属病院, 医員 (50533759)
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Keywords | 前立腺癌 / IL-6 |
Research Abstract |
IL-6高発現LNCaP細胞(LNCaP/IL-6)を樹立し、同時にプラスミドvectorのみを導入したコントロールLNCaP細胞(LNCaP/Co)も樹立し、両細胞株のアンドロゲン除去前後における増殖能の変化を比較検討した。 In vivoの予備実験で、ヌードマウス皮下に移植したLNCaP/Coは、castration後にアンドロゲン不応癌として徐々に増大するのに対し、IL-6高発現LNCaPはcastration後に急速に腫瘍体積は減少し、最終的には完全に消退した。 In vitroでも同様に、LNCaP/IL-6のアンドロゲン除去後の増殖は、LNCaP/Coに比し顕著に低下していた。 アンドロゲン除去前後でのIL-6の下流シグナル伝達系を検討すると、アンドロゲン除去後に、LNCaP/IL-6ではLNCaP/Coに比し、p44/42 ERKおよびAktのリン酸化が亢進していた。 これらの結果により、LNCaPにおいては、前立腺癌細胞自身が過剰に分泌するIL-6は、アンドロゲン除去環境下において、前立腺癌細胞のアンドロゲン非依存性進展を抑制的に制御している可能性が、初めて示唆された.また、その機序にはRas-MAPK及びPI3K-Akt系の活性化が関与している可能性が示唆された。 本研究により、前立腺癌のホルモン非依存性進展において、IL-6が作用する分子機構解明の一端に新しい知見が加えられたと考える。
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Research Products
(2 results)