2010 Fiscal Year Annual Research Report
アポトーシス誘導新規前立腺癌遺伝子治療と放射線療法併用に関する基盤的研究
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21791505
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
枝村 康平 岡山大学, 岡山大学病院, 医員 (90535816)
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Keywords | 遺伝子治療 / 前立腺癌 / アポトーシス / 放射線治療 |
Research Abstract |
昨年度までの研究により、癌細胞において、Ad-CAG-REIC単独、放射線療法単独の群に比べ、併用した群では細胞増殖の抑制効果が顕著に見られた。本年度は、Ad-REIC投与と放射線治療の併用療法を臨床的に実現するための予備実験を行った。現在、臨床利用されているREIC発現アデノウイルスベクター製剤、Ad-CAG-REICの性能をさらに改善するため、増殖能力を持つ野生型ウイルスの発生を抑制し、生産コストを削減する目的でプロモーターを改変したAd-CMV-REICの有用性の検討を行った。Ad-CMV-REICは、全長REIC/Dkk-3 cDNAをCMVプロモーターを含むpShuttleプラスミドベクターに導入し、その後、Adeno-X expression kitを用いて、アデノウィルス作製用コスミドに全長REIC/Dkk-3をCMVプロモーター領域と共に組み込むことにより作製した。具体的には、Ad-CMV-REICを用いて前立腺癌細胞における抗腫瘍効果(癌特異的アポトーシスの誘導作用)の検証の為の実験を行った。その結果、in vitroにおいて、ヒト前立腺癌PC3細胞におけるAd-CMV-REIC添加後のREICタンパク質の発現がウエスタンブロット法により証明され、100MOIでトランスフェクション後48時間でのPC3細胞でのアポトーシス誘導率は平均値で50%を超えていた。この値は、従来のAd-CAG-REICと同等であり、今後、Ad-CMV-REICの前立腺癌治療での有用性、また放射線治療との併用療法の確立が期待される。
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Research Products
(1 results)