2010 Fiscal Year Annual Research Report
3次元細胞培養したAR陰性前立腺癌細胞の遺伝子発現解析
Project/Area Number |
21791508
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
田村 賢司 高知大学, 教育研究部医療学系, 助教 (50464384)
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Keywords | マイクロアレイ / ゲノム / トランスレーショナルリサーチ / 癌 / 発現制御 |
Research Abstract |
ヒト前立腺癌細胞株(PC-3, 22Rv1, DU145, LNCaP)を3次元培養した後に、各々の細胞からTotal RNAを抽出した。Total RNAの品質に問題ないことを確認後、KURABOの受託解析サービスを利用して、マイクロアレイを実施し、AR陰性ならびにAR陽性前立腺癌細胞株の遺伝子発現プロファイルを作製した。 PSA(前立腺特異抗原)とは独立したバイオマーカーを同定するため、PSAが発現してないAR陰性前立腺癌細胞株(PC-3 or DU145)で発現が高く、AR陽性前立腺癌細胞株(22Rvl and LNCaP)で発現の低い遺伝子の抽出を試みた。抽出した遺伝子の中から、(1)分泌蛋白をコードする遺伝子、(2)前立腺癌臨床検体で高発現する遺伝子(以前に我々が行った前立腺癌臨床検体のアレイデータを参考)、(3)過去に癌での研究報告のない遺伝子の条件を満たすバイオマーカー候補としてKURO3 (Kochi urology 3)を同定した(論文投稿前であり、具体的な遺伝子名は省略)。 アレイデータをconfirmするため、まずRT-PCRならびに免疫組織染色を実施した。AR陰性前立腺癌細胞株であるPC-3にのみKURO3遺伝子の発現を認めた。また臨床検体では、コントロールである非癌者の正常前立腺上皮細胞と比較して、前立腺癌患者の癌細胞においてKURO3の高発現を確認した。免疫染色でも同様にKURO3蛋白の高発現を確認した。またKURO3蛋白の細胞内局在としてcytoplasmとextracellureに認め、分泌蛋白であることを確認した。さらにsiRNAによりKURO3の発現を抑制すると顕著な細胞増殖の抑制が観察され、逆にKURO3を過剰発現させると有意な細胞増殖の促進が観察された。 これらの結果より、KURO3が(1)前立腺癌で高発現していること、(2)分泌蛋白であること、(3)前立腺癌の増殖に関与していることを明らかにした。
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Research Products
(2 results)