2009 Fiscal Year Annual Research Report
3次元培養モデルを用いた前立腺発癌機構の解析とバイオマーカーの検索
Project/Area Number |
21791510
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
猪口 淳一 Kyushu University, 大学病院, 助教 (10403924)
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Keywords | 癌 / シグナル伝達 / マイクロアレイ / 3次元培養 / 前立腺 |
Research Abstract |
これまでに前立腺正常細抱であるRWPE-1細胞を用いた3次元培養法を確立し報告してきた。今回、この3次元培養モデルを用いて、前立腺癌においてその発現が抑制されているアネキシンA1 (AnxA1)の機能解析を行った。同研究では、RWPE-1細胞を用いてAnxA1の発現を抑制したところNFκBの活性化がみられ、標的分子の一つであるIL-6が分泌亢進されることを示した。同細胞の細胞増殖能は2次元培養条件ではコントロールとの間に差を認めなかったが、3次元培養ではAnxA1発現抑制により腺腔様構造の形成が遅延し、さらに同現象がIL-6の分泌を介するものであることを示した。(Inokuchi et al., Carcinogenesis)同研究は、前立腺発癌におけるNFκBの関与を示すとともに、前立腺細胞の2次元培養と3次元培養環境下での差を示した点で非常に有意義な報告であったと考える。さらに、同研究で鍵となったサイトカインであるIL-6に注目し、実際の臨床サンプルを用いて前立腺周囲脂肪から分泌されるIL-6をはじめとするサイトカインと前立腺癌の組織学的悪性度との相関を検討した。その結果、前立腺周囲脂肪組織から分泌されるIL-6と組織学的悪性度には相関を認め報告した。(Finley et al., J.Urol) また、2次元培養環境下では発現していないARが3次元培養にて発現することを確認した。ARの活性化はホルモン不応性前立腺癌の原因の一つであり、その活性化には様々なcoactivatorが関与していることが知られている。今回、Tip60とPGC-1 alphaがARのcoactivatorとしてARシグナルの増強を担っていることを示し報告した。(Shiota et al, Prostate) (Shiota et al, Molecular endocrinology)
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