2011 Fiscal Year Annual Research Report
3次元培養モデルを用いた前立腺発癌機構の解析とバイオマーカーの検索
Project/Area Number |
21791510
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
猪口 淳一 九州大学, 大学病院, 助教 (10403924)
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Keywords | 癌 / シグナル伝達 / マイクロアレイ / 3次元培養 / 前立腺 |
Research Abstract |
これまでに前立腺正常細胞であるRWPE-1細胞を用いた3次元培養法を確立し、同培養法を用いてアネキシンA1(AnxA1)の前立腺発癌への関与を明らかにしてきた。同研究は、前立腺細胞の2次元培養と3次元培養環境下でのmRNA発現、蛋白発現に重要な違いがあることを示した点で非常に意義のある報告となった。そこで、3次元培養モデルを用いて、前立腺細胞の癌化において鍵となる働きをしていると予測される細胞極性、分化、細胞間接着などの分子機構の解析を目的として、2次元及び3次元培養環境での遺伝子発現の違いを、cDNAマイクロアレイ法を用いて網羅的に解析を行った。同網羅的解析の結果、およびWestern blot法を用いた蛋白発現解析により、RWPE-1細胞を用いた3次元培養環境下では、2次元培養環境下では発現していないARが発現誘導されることを確認した。ARの異常な活性化は去勢抵抗性前立腺癌の原因の一つとも考えられているが、その活性化の調節機構は不明な点が多い。そこで、ARに注目して解析を進めた。 これまでに、コレステロール降下薬として使用されるスタチン製剤により、血清PSA値の下降や前立腺癌リスクの低減がみられるという報告がなされている。そこで我々は、ARに注目して解析を行い、in Vivoにおいてスタチン製剤がARの蛋白分解を促進し、ARの発現量を低下させることで感受性が低下し、前立腺癌細胞の増殖抑制がみられることを報告した。 また、前立腺癌の発癌に関して、アスピリンが発癌リスクを軽減するという報告がなされている。我々は、アスピリンが前立腺癌に対してARの発現抑制を介して増殖抑制を誘導することを示した。さらに、このAR制御がプロスタグランジンEレセプターのサブタイプであるEP3を介したものであることを示した。
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Research Products
(5 results)