2010 Fiscal Year Annual Research Report
アンドロゲン不応性前立腺がん細胞のアポトーシスにおけるアンドロゲン受容体の役割
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21791514
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Research Institution | Gifu Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
井口 和弘 岐阜薬科大学, 薬学部, 助教 (10295545)
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Keywords | LNCaP細胞 / LNCaP-E9細胞 / アンドロゲン受容体 / アポトーシス / アンドロゲン感受性 |
Research Abstract |
前立腺癌細胞におけるアポトーシスとアンドロゲン受容体の役割を解析する目的で、アンドロゲン感受性LNCaP細胞およびアンドロゲン低感受性LNCaP-E9細胞におけるアンドロゲン受容体ノックダウン細胞の作成に着手した。しかしながら、アンドロゲン受容体に対するshRNAプラスミドをトランスフェクトすることによりアンドロゲン受容体の恒常的ノックダウン株取得を試みた場合、LNCaP細胞およびLNCaP-E9細胞の両細胞ともにアンドロゲン受容体を十分に発現低下しているクローンは得られなかった。すなわち、Aktの低リン酸化に起因するアンドロゲン低感受性のLNCaP-E9細胞においても、アンドロゲン受容体の発現は細胞の生存に重要である可能性が考えられた。次に、アンドロゲン受容体を一過性に発現低下させた場合のアポトーシス抑制因子およびアポトーシス促進因子のmRNA発現量およびタンパク質発現量を調べた。その結果、LNCaP細胞およびLNCaP-E9細胞ともに、アンドロゲン受容体のノックダウンはアポトーシス抑制因子であるBcl-2,アポトーシス促進因子であるBadおよびBaxのタンパク質発現量に影響を与えなかった。一方で、両細胞ともにアンドロゲン受容体の発現低下に伴いIGF1R mRNAの発現量が低下することが観察された。検討したアポトーシス関連因子の中で二つの細胞間において発現パターンに違いがあるものは観察されなかった。
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