2009 Fiscal Year Annual Research Report
前立腺癌における機能性RNAの分子生物学的意義および標的遺伝子の解析
Project/Area Number |
21791530
|
Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
小島 聡子 Teikyo University, 医学部, 准教授 (10345019)
|
Keywords | 前立腺癌 / マイクロRNA / 細胞増殖 |
Research Abstract |
近年、蛋白質をコードしないnon-coding RNAが発見され機能性RNAとして注目されている。その中でmicroRNA(以下miRNA)と呼ばれる19-23塩基の短い二本鎖RNAは標的となる蛋白コード遺伝子のcoding regionもしくは3'-UTRをブロックして蛋白合成を妨げる働きをすると考えられている。特に、癌の領域ではmiRNAが癌抑制遺伝子の発現調節に深く関与しており、癌の発生や進展に関わっていることが報告されている。前立腺癌においてもmiRNAが重要な役割を果たすことが示されており、前年度研究者はmiR-15-a,miR-16が前立腺癌の増殖抑制を持つことを、細胞株を用いて示した。本研究では、前立腺癌の進展の分子メカニズムの解明に向けて、前立腺癌臨床検体を用いて、miraVanaアレイシステム(Ambion社)を用いた高感度のマイクロアレイにて、進行前立腺癌と正常前立腺に発現するmiRNAの発現プロファイリングを行った。前立腺癌および癌な検体を5例ずつマイクロアレイにて発現プロファイル比較し、最も発現が増加したmiroRNAと低下したmicroRNAを同定した。特に癌において発現の低下したmiR-184,miR-187,miR-200a,miR-205,miR-31に注目し、検討を行った。まず、前立腺癌細胞株(LNCaP,PC3,DU145)にこれらのmicroRNAを遺伝子導入し、XTTアッセイを行ったところ、細胞増殖は明らかに発現が低下した。次に前立腺針生検で採取した前立腺組織癌20例、正常20例におけるmiR-184,miR-187,miR-200a,miR-205,miR-31の発現をRT-PCRを用いて行ったところ、前立腺癌において明らかにこれらすべての発現がすることが示された。今後はこれらのmiRの発現と前立腺癌進行の意義について研究を進める予定である。
|
Research Products
(5 results)