2011 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト上皮性卵巣癌におけるマイクロRNA発現の網羅的解析
Project/Area Number |
21791537
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
赤平 純一 東北大学, 大学院・医学系研究科, 非常勤講師 (90359505)
|
Keywords | 卵巣癌 / マイクロRNA |
Research Abstract |
子宮内膜漿液性腺癌において、miR34bの発現が低下しており、その発現の低下はプロモーター領域のメチル化と関連していた。まずmiR34bを細胞に導入して、細胞増殖、遊走能、浸潤能にどのような影響を与えるのかを検討した。その結果、miR34bを導入した細胞においては、上記のいずれにも悪性度を増加させる方向に作用したが、そのうちでも特に浸潤能に与える影響が大きかった。また標的タンパク質として、癌遺伝子であるMETに着目した。METは漿液性腺癌に置いて予後因子となることが報告されているが、細胞内に置いて、miR34bの発現を増加させたところ、METの発現は減少し、癌遺伝子であることを裏付ける結果であった。以上より、子宮内膜漿液性腺癌において、miR34bが癌抑制遺伝子的な働きをしており、その働きは標的蛋白METを介していることが示唆された。今年度は、上記の成果を学会(日本癌学会)において発表し、論文として掲載された(Int J Pathol)。 また一方で、以前検討したマイクロアレイにおいてmiR101およびmiR152が子宮内膜漿液性腺癌において重要な役割を果たしていることが示唆されたため、miR34bと同様に癌組織における発現解析および細胞における機能解析を行った。その結果、miR101およびmiR152の発現量が子宮内膜症液性腺癌の悪性度と関連していることが判明した。こちらについては現在発表準備中である。
|
Research Products
(3 results)