2009 Fiscal Year Annual Research Report
Chemogenomicsによる、卵巣明細胞腺癌に対する治療薬の開発
Project/Area Number |
21791551
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松村 謙臣 Kyoto University, 医学研究科, 助教 (20452336)
|
Keywords | 卵巣癌 / マイクロアレイ / 分子標的療法 / 卵巣明細胞腺癌 / HNF1β |
Research Abstract |
これまで我々は、もとの組織型の明らかな卵巣癌細胞株を38種類集めてマイクロアレイを行い、さらに、Websiteの臨床データと比較することによって、明細胞腺癌を特徴づける"Clear Cell Signature"を同定した。Clear Cell Signatureの解析により、Clear Cell Signatureに含まれる遺伝子は、鉄やチョコレートのう胞の内容液を不死化卵巣表層上皮細胞に添加することにより有意に発現上昇し、チョコレートのう胞という環境因子を反映していることが判明した。 Clear Cell Signatureをさらに解析した結果、卵巣明細胞腺癌と、腎細胞癌はきわめて類似していることが判明した。卵巣明細胞腺癌を最も特徴づける転写因子はHNF1βであり、それは腎細胞癌にも特徴的であった。そして、卵巣明細胞腺癌細胞株RMG-2に対して、腎細胞癌で使われているSorafenibがin vivoで顕著な抗腫瘍効果を発揮することがわかった。Western blottingによる検討の結果、HNF1βの抑制は、リン酸化ERK発現を抑制させたので、Sorafenibの卵巣明細胞腺癌に対する効果は、HNF1βによるRas-Raf-ERK経路の活性化と関連している可能性がある。本研究の成果は、卵巣明細胞腺癌を特徴づける分子メカニズムを明らかにし、卵巣明細胞腺癌に有効な分子標的薬を探索することにつながる。
|
-
-
-
[Journal Article] Targeting slow-proliferating ovarian cancer cells.2010
Author(s)
Kondoh E, Mori S, Yamaguchi K, Baba T, Matsumura N, Cory Barnett J, Whitaker RS, Konishi I, Fujii S, Berchuck A, Murphy SK.
-
Journal Title
Int J Cancer. 126
Pages: 2448-2456
Peer Reviewed
-
-