2009 Fiscal Year Annual Research Report
ディフェンシン遺伝子群ゲノム構造多型に注目した子宮頚癌感受性個体差の解明
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21791566
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
三嶋 博之 Nagasaki University, 大学院・医歯薬学総合研究科, COE研究員 (10513319)
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Keywords | 婦人科腫瘍学 / ヒトパピローマウイルス |
Research Abstract |
ヒトパピローマウイルス(HPV)は,子宮頸癌の発症に深く関わっている。しかし,HPV感染がすぐに子宮頸癌を引き起こすことはなく,感染者のほとんどにおいては2年以内にHPVが消失する。さらに,持続感染成立後,長期の経過を経て,ごく一部の患者でのみ子宮頸癌発症に至ることが知られている。しかし,一体何がこの感受性の個体差をもたらすのかは,いまだ明らかになっていない。感染防御タンパクの一種であるディフェンシンは,子宮頸部をはじめとする婦人科領域で発現しており,HPVなどに対する抗ウイルス能を持つことが報告されている。これらをコードするディフェンシン遺伝子群の一部は,新規ゲノム構造多型のひとつ「コピー数多型」を持っており,ディフェンシンnタンパク産生能の個体差をもたらしていることが明らかになってきている。本研究は,継続的に収集しているHPV感染者,および子宮頸癌患者サンプルを対象に,ディフェンシン遺伝子群コピー数多型が,子宮頸癌の進展・発症の個体差要因であることを明らかにし,まったく新しい視点にもとづく,子宮頸癌テーラーメイド予防医学の開発を目指す。 現在,子宮頸癌症例の末梢血由来ゲノムDNAを継続して収集している。これまでに,このうち85例に対し分析を行った。分析にはMLPA法を用いた。DEFA遺伝子群の一部(DEFA4,DEFA5),DEFB遺伝子群の一部(DEFB103A,DEFB104A,DEFB105A),および2コピーであるリファレンス遺伝子群に対するプローブを設計し,それらのコピー数を測定した。現在のところ,患者・コントロール間で十分な明らかな相関を見いだすには至っていない。 今後,症例および対象遺伝子を増やし,さらなる探索を行う。
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