2009 Fiscal Year Annual Research Report
胎児・胎盤機能の分子評価法の確立とその臨床的意義に関する研究
Project/Area Number |
21791567
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
三浦 清徳 Nagasaki University, 大学病院, 講師 (00363490)
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Keywords | 胎児・胎盤機能 / 母体血漿 / 分子評価法 / mRNA / microRNA / 妊娠 / 19q13.42 / 14q32 |
Research Abstract |
microRNA(miRNAs)は、19-25bpのタンパク質をコードしない単鎖RNAであり、ターゲットになるmRNAの3'側非転写領域に結合して遺伝子発現を調節している。miRNAsは個体の発育・分化に関連しているため、母体血中の胎児・胎盤特異的miRNAsは妊娠中の分子マーカーとして注目されている。そこで、母体血中に存在する妊娠特異的miRNAを同定し、その生物学的特性について検討した。 723の種類のヒトmiRNAsのうち血液細胞と比較して胎盤組織で強発現している82種類の胎盤特異的miRNAsを選定した。そのうち、12種類は妊娠初期のみ、25種類は妊娠末期にのみ検出された。82種類の胎盤特異的miRNAのうち24種類は分娩前後で母体血漿中への流入量が有意に減少し、妊娠特異的miRNAとして同定された。24種類の妊娠特異的miRNAのうち21種類(87.5%)は19q13.42もしくは14q32領域にクラスターを形成していた。分娩前後で最も有意な変化を認めた妊娠特異的miRNA(has-miR-517a、has-miR-515-3p、has-miR-517c、has-miR-518b、hsa-miR-526b、has-miR-323-3p)について、妊娠初期から末期における流入量の推移を検討した。19q13.42上に存在するmiRNA(has-miR-517a,has-miR-515-3p,has-miR-517c,has-miR-518b,hsa-miR-526b)の母体血漿中における流入量は妊娠初期と比較して妊娠末期で有意に増加していた。一方、14q32上に存在するhas-miR-323-3pの流入量は妊娠初期と末期を比較して有意な変化を認められなかった。 19q13.42もしくは14q32は胎児・胎盤発育に重要な染色体領域であり、ゲノム刷り込み機構との関連が示唆されている。母体血漿中妊娠特異的miRNAは流入量の定量化は、妊娠高血圧症候群や絨毛性疾患などの妊娠に伴う疾患における病態評価の分子マーカーとして有用と考えられた。
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