2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21791570
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
吉田 佳世 Osaka City University, 大学院・医学研究科, 准教授 (30311921)
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Keywords | 遺伝子 / 細胞・組織 / 発現制御 / 発生・分化 / 放射線 |
Research Abstract |
哺乳動物の減数分裂期の染色体動態の解明は、不妊の原因究明や胎児の染色体異常において重要な課題であり、ヒトの不妊症の診断及び治療への発展が期待できる。我々は既にSgo1, Sgo2遺伝子の欠損マウスは胚性致死になることを示した。これは、染色体分離に異常を起こした受精卵では発生ができないからと考えられる。また、RNAiによりSgo2遺伝子の抑制した細胞では染色体の未成熟な解離と分裂期前の分離が起こることから、Sgo2タンパクの量的な不足が染色体分配の異常の度合いに影響することが示唆される。これらのことから、卵原細胞の染色体への分配の役割をマウス個体レベルで解析するために、Sgo1, Sgo2遺伝子ノックダウンマウスを作製するべく、ES細胞にジーンターゲッティングを行っている。また、受精卵にX線、Feイオン線を照射し初期発生を解析すると、線量の増加に伴い、桑実胚での発生停止や異常な形態の胚が増加した。このような胚における染色体の分離異常や修復遺伝子の動態を解析中である。さらに、妊娠マウスに放射線照射し、初期胚の染色体分配の異常と発生への影響を解析中である。次に、種々の修復関連遺伝子を発現抑制することにより、卵原細胞で修復しきれなかったDNA損傷が染色体の構造異常の原因となり、卵子への発育、受精能、着床にどのような影響を及ぼすのかを解析する。このために、DNA二重鎖切断付近に結合するヒストンH2AX遺伝子のノックアウトマウスを作製した。今後、H2AX欠損胚を用いてDNA損傷後の染色体分配や染色体構造異常を解析し、発生への影響を解明する。
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Research Products
(2 results)