2010 Fiscal Year Annual Research Report
アディポカイン・テクノロジーを用いた妊娠合併症の早期発症予知・治療法の開発
Project/Area Number |
21791571
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
成瀬 勝彦 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (70453165)
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Keywords | アディポネクチン / アディポサイトカイン / 妊娠 / 妊娠糖尿病 / 妊娠高血圧症 / 絨毛細胞 / 脂肪細胞 |
Research Abstract |
正常妊娠・妊娠合併症における脂肪細胞の、とくに液性因子分泌と、絨毛細胞に与える影響を証明するため、脂肪細胞由来のサイトカイン(アディポサイトカイン)、特にインスリン感受性・抗炎症作用に与るサイトカインであるアディポネクチンについての研究を遂行した。妊娠高血圧妊婦について血清の採取を行い、各種アディポサイトカインの測定を行い、アディポネクチン分泌に影響を与える因子を抽出する解析を行ったところ、遊離脂肪酸(FFA)が影響を与えることが示唆された。また、脂肪細胞が影響を与える対象として研究に用いる絨毛細胞については、これまでに確立した分離方法を論文として発表し、これに関連した論文が数編発出された。また妊娠糖尿病妊婦についての研究に先立ち、正常妊婦でのインスリン抵抗性とアディポサイトカインの推移を確立することとし、正常妊婦において妊娠経過中に連続して採血した例を蓄積して、これら血清中の多量体アディポネクチンや関連するサイトカイン・ケモカインの濃度を測定して、妊娠経過中に正常妊婦でこれらが有意に連関してインスリン抵抗性に関与することを証明した。さらにインスリン抵抗性マウス(IRAP-KO)の飼育を開始しており、妊娠によってインスリン抵抗性がどのように変動するのか、動物実験によっても明らかにすることを目指している。 本研究は妊娠高血圧や妊娠糖尿病といった妊娠合併症の病態を解明し、早期の発症予知と治療法の開発を目指すものであり、そのために重要な知見が多く得られており、意義ある研究となっている。
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[Presentation] Correlation of free fatty acid and adiponectin in hypertensive pregnancy : key molecules for homeostatic inflammatory linkage.2010
Author(s)
Naruse K, Onogi A, Sado T, Noguchi T, Komeda S, Koyama E, Nishioka K, Kitanaka T, Oi H, Kobayashi H.
Organizer
17^<th> World congress of the International Society for the Study of Hypertension (ISSHP):一般演題より口演に選出
Place of Presentation
Melbourne, Australia
Year and Date
2010-10-05
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